カワイイとの声が続出!映画「ヴェノム」に学ぶギャップ萌えのメカニズム


最悪

とにかくキャッチコピーが強烈でずっと気になっていた映画「ヴェノム」を観てきました。
こういったヒーローモノがベースにある悪役がメインの映画にありがちな展開と言えば、
基本的には立ち回りが悪なのだが、ストーリー的なご都合で別の悪と闘い、結果的には平和を守る というのが
お約束な気がしますが、本作も例に漏れません。
何より史上最悪のヴィランとして、ファンからも絶大な人気を誇るヴェノムですが、
どうやら 最悪どころかネット上ではカワイイと言われてる と聞いて、気になって仕方ありませんでした。笑

あらすじ

敏腕記者エディ・ブロック(トム・ハーディ)は、人体実験で死者をだしているという<ライフ財団>の真相を追う中、ある“最悪な”ものを発見し、接触してしまう。
それは<シンビオート>と呼ばれる地球外生命体だった。
この意思を持った生命体との接触により、エディの体は寄生され、その声が聞こえるようになる。
「一つになれば、俺たちはなんだってできる」とシンビオートはエディの体を蝕み、一体化し、ヴェノムとして名乗りを上げる。
ヴェノムはそのグロテスクな体で容赦なく人を襲い、そして喰らう。相手を恐怖に陥れ、目玉、肺、そしてすい臓…体のどの部位も喰い尽くす。
エディは自分自身をコントロールできなくなる危機感を覚える一方、少しずつその力に魅了されていく――。(公式HPより抜粋)

うん、とにかく一貫してますね。

徹頭徹尾ヴェノムの持つ本来のイメージを全面に押し出したプロモーションで
彼の印象がブレるような描写は一切ないです。
映画というのはおおよそ2時間ほどで収束させないといけないのに、
むしろこれだけダークなイメージを想起させる内容だと展開が気になって仕方がありません。
ヴェノムが登場した映画といえば「スパイダーマン3」がありますが、それと比較しても
CGの描写表現や演出の邪悪さが増していますね。

映画を観た人たちのコメント


(Twitterより抜粋)

どういうことなんだ!

予告をみる限り 一切女の子受けしなさそうな印象 だったのに!笑
むしろ下手なホラー映画よりも怖そう(といかグロそう)なのですが、
ネットの感想を見ると、全くそんなことなそうです。

そもそもヴェノムって一体何者!?

地球外の寄生生命体「シンビオート」。
ヴェノムはそのシンビオートの中の一種で、彼らは人間に寄生することで、
宿主を超人的な攻撃力や俊敏性、凶暴性など、様々な変化を与えてしまう。
ただし宿主との相性が悪ければ、寄生した人間を死に至らしめてしまう。
もともと作中の人体実験においては、その適合者が全く見つからなかったものの、
本作の主人公のエディとヴェノムは相性抜群だった ようで…。
エディは自身の変化や、身体の内から聞こえるヴェノムの声に戸惑いながらも、
徐々にその力にのめりこんでいってしまうのでした。

その1. とにかく腹が減るヴェノム

話しかけてきたと思ったら、「腹が減った!」だの「メシだ!」だの
とにかく大食らいなヴェノム。
しかもエディが戸惑っているとその辺にいる人を食べようとするから大変です。

その2. 主人公のことをおちょくるヴェノム

主人公のエディは彼女だったアン・ウェイングに振られたばかり。
しかも未練タラタラで、ヨリを戻したいと思っています。
ヴェノムはエディに寄生しているわけですから、彼の考えていることは丸わかりなワケです。
なので ヴェノムはひたすらそのことをイジります。イジり倒します。
しまいには 彼女へのアプローチを手伝ってくれちゃいます。笑

その3. 実はめちゃめちゃ主人公思いのヴェノム

そんなこんなでいい感じの相棒になりつつあるヴェノム。
ここまでエディとヴェノムの掛け合いをお腹いっぱい魅せられた我々観客は

「あ〜いい友情映画だな〜」

ってなってるのです。あれ?笑
こうして互いに相棒と認めあうようになった二人は、強大な敵に立ち向かうわけですが、
ここからはネタバレになるので詳細は伏せます!
ちなみに最後の展開には

「ヴェノムめっちゃええやつやないか〜!!」

ってなりますよ!

ヴェノムに似た特徴を持ち、ファンから愛される人外の相棒キャラ

リューク(漫画:デスノート)


とにかくリンゴが大好きでよく食べるリュークは有名ですね。
リンゴが食べたいあまり、作中では主人公のライトにおねだりすることも。
ちなみに 本作ではヴェノムが、チョコレートに反応 しますよ。笑

ザトーONE(ゲーム:ギルティギアシリーズ)


このゲームご存知ですかね…?汗
20年近く続く人気の格闘ゲームで、登場キャラの「ザトーONE」はエディという影と共存しています。
(映画に登場するエディとは別です)
この影のエディは宿主であるザトーに「任せたぜ!」、「痛そうだな!」と話しかけます。
この やや乱暴な口調だが、宿主を気にかけているような性格は、ヴェノムにとても似て います。

なぜこんな禍々しいヴィジュアルにも関わらずヴェノムは人気なのか??

冒頭にも述べた通り映画「ヴェノム」は、とにかくプロモーションのコンセプトがはっきりしていて、とてもわかりやすい。
そんな史上最悪なダークヒーローを一目見ようと、客が劇場に足を運ぶのだ。
ここまでが映画を観る前の作品に対する期待ですね。

しかし実際観てみると、 肝心の内容は”最悪”と謳われたコンセプトとは異なったものであり、
ダークヒーローに期待を寄せていた観客は「あれ…?」と思うのです。
だが、間髪入れずに 「まぁお客さん、せっかくココまで観に来たんだから、ウチのかわいい子見てってよ」 と言われ
そこまで言うのなら…と観続けた挙げ句、我々はまんざらでもなく「あら、かわいい…」となるわけです。

まさに 期待と実際の体験の相違 ですね。
しかもその相違の部分が カワイイだから困ったものです。
違和感があったとしても、決して悪い気にはならないんです。
結局は困惑したものの、 最終的には楽しめたからまぁいいか に着地するのでした。笑

ダークヒーローが登場する映画として期待をしていたが、ソイツは憎めず、意外にカワイイ。

このカワイイと思わせることは非常に重要です。
ある意味、 観客の期待を裏切っていながら、全く違うベクトルの感情にしれっと置換える。
しかもその カワイイという感情がマイナスに作用するものではないから、ギャップ萌えが生まれる のです。

最後に

評価: 2.8 
カワイイからなんだ?俺は騙されないぞ!

いち映画として評価するなら、 何てチグハグした作品なんだ に尽きるでしょう。
あれだけプロモーションが一貫していたのにも関わらず、ダークでシリアスなシーンと、
マーベル映画にある様な愉快なシーンが、脈絡もなく入り交じるのです。
ファンの間では根強い人気のあるヴェノムが、意図せず新しいファン層を獲得してしまった。
この映画をあえて言い表すなら、こうではないでしょうか。