インターフェイスの視点で考える、Face IDのユーザビリティについて


iPhone Xが2017年に発表され、2018年はXs、Xs MAX、XrなどのFace IDを搭載したものが次々とリリースされました。
顔認証システムFace IDが搭載されるということは指紋認証システムTouch IDがなくなるということ。
つまりFace IDとTouch IDはトレードオフになっています。
当時ユーザーの話題になったのは、新しく導入されたFace IDそのものよりも、ホームボタンがなくなることによる懸念の方が大きかったでしょう。
ですが、結果的にAppleが用意したUIは非常に利便性が高く、懸念していたユーザーに 「もうホームボタンには戻れない」 と言わしめたほどでした。
この問題は杞憂だったと言えるでしょう。

しかし、肝心のFace IDのユーザビリティについては、前述の問題と比較するとさほど話に上がってない様な印象も受けました。
とはいえ使用しているユーザーも増えてきており、それなりに思うところがあるでしょう。

便利なのか?それとも不便なのか?

今回はインターフェイスの観点から、Face IDの抱える問題と、改善案を考察してみます。

インカメラを使用するということ


写真を撮る行為をイメージしてみるとわかりやすいのですが、
本来カメラを使用するということは、 被写体に向けたカメラに何が含まれているのかわかります。
当たり前のことですが、これは写真撮影をする上で下記の様な判断材料になっています。

  • フレーミング(どこからどこまで収めるか)
  • アングル(どの角度で収めるか)
  • 被写体との距離(どの大きさで収めるか)

写真が見切れそうであれば、アングルや距離を調整するし、暗くて映りが悪いようであれば
場所を移動したり、光源を用意したりします。

Face IDは、これらの判断材料がない

Face IDはインカメラを使用して、自身の顔を映して認証します。
ですがインカメラが何を映しているのか、それをユーザーが知ることは出来ません。
どう映っているのかわからずに自撮りをする自分を想像してみて下さい。
写真写りが気になりますよね。笑
つまり、カメラを使用しているのにユーザーにFB(フィードバック)がないのです。
これによる弊害は、下記の様なFace IDの使いにくさに直結します。

Face IDの使いにくいポイント3つ

マスクをつけている時など、顔が隠れていると使えない

今の時期はインフルエンザなども流行しており、通勤通学途中にマスクを着けている人も多いです。
そういったユーザーに Face IDはマスクを取ってiPhoneを使用することを強要します。
マスク以外にも、顔が隠れている場合は認識しないことが多いです。

部屋が暗いときなど、顔が認識できないと使えない

就寝前にスマホを使用する人は多いのではないでしょうか?僕もです。
寝る前にスマホを使用することは良くないのは百も承知ですが、
電気を消して眠りにつく前に少しだけメッセージを確認しようとしても
当然、暗いので顔認証してくれません。 Face IDにパスコードの入力を強要されます。

ちなみに朝は部屋の電気が消えていても、カーテンの隙間などから差し込む光によって
夜より明るくなるためか、Face IDを使用できます。
多少の暗さでは、問題なく使用できるようです。

iPhoneの位置や距離が正しくないと使えない

常に顔が正しく映る位置を感覚で覚えなくてはなりません。
距離が近くてもダメ、角度が正しくないとダメ、など認証しない原因は有り得ますが
ユーザーは何がダメなのか把握する術がないので、慣れていくしかありません。
Face IDは、ユーザーに満足なFBをせず、強引な学習を強要します。

認証するタイミングがわからない

どのタイミングで認証が行われるのかわからないので、ユーザーが端末を正しい位置に持っていこうとしても
その途中で勝手に認証が行われ、失敗していることがあります。
挙げ句の果てに、複数回の認証失敗を経てパスコードのロック解除をさせられる始末。

この問題は、iPhoneの設定で、「一般」 → 「アクセシビリティ」 → 「Face IDと注視」で調整することができます。

ユーザーは何を望むか

画面が大きくなり、メリットも感じられるのですが、不便な感が否めないFace ID。
Touch IDとどちらか使いやすいかは、各々のユーザーに依りますが、Face IDの改善を望むなら
インカメラに、自身の顔がどう映っているかわかるようにすること です。
つまり ユーザーがわかるよう、端末が正しいFBを行う のです。
理想は暗すぎるのか、顔が見切れてしまっているのか?といった認証しない原因も何らかの形で伝えられると、なお良いでしょう。

根本改善するなら声紋認証や、虹彩認証も検討の余地がありそうですが、
これまで数々のユーザービリティを提供してくれたAppleに今後も期待したいですね。


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